嵐の霞探R最終戦!!
テツジ氏、大逆転の年間AOY獲得!!

2014年10月5日、霞探R第4戦は台風と対峙していた。

そう、季節は秋。気温、水温ともに下がり調子の時期である。
そこへ一撃必殺の台風18号、その名もPHANFONE(ファンフォン)だそうで。ラオス語でホエジカという鹿の種類を表す言葉らしいが、直撃の台風は当然そんな可愛らしいものではなく。「巻物シーズン」と言われるこの季節ではあるものの、この急激な状況変化はバス、人間ともに大いに堪えるものだったのである。

集合時間は朝5:30。もう大分暗い時間帯となりました。だんだんと季節が進んでいきますね。

代表の挨拶はMac松村氏。霞ヶ浦を代表するProガイドから生の情報を聞けるのも霞探ならでは!!あ、2014年のAOYをかけた一戦となります!

今回のスタートコールは第3戦Winnerのりゅう爺氏。こちらもAOY獲得の圏内!!果たして!?

2014年のAOYは・・・なんと大逆転!!テツジ氏!!40upを2本持ち込んでの逆転劇!おめでとう!!

年間2位は昨年のAOY愛妻家平塚氏。時間ギリギリまで粘ってのリミットメイクだったが・・・惜しい、一歩届かず!!

年間3位にMAC松村氏。なんと2位の平塚氏との差は1cm!!ここにもドラマがあった!!

年間4位にはランカー須田氏が!最終戦はなんとノーフィッシュ!本人も語っていましたが痛恨の一戦。

年間5位は財務大臣中村氏が食い込んだ!中村氏も昨年の年間2位!実力が光ります!

2014年間トップ3です。まれに見る大逆転劇のシーズンでした。

2014年もこれで終了です。今年も無事に終わりスタッフ一同も一安心!来年もよろしくお願いします!

今大会の霞探R第4戦は東浦全域と霞ヶ浦本湖東岸一帯のエリアである。
台風直撃の前日の開催となったが、霞探Rの猛者たちの安全面の確保については当然問題があってはならない。霞探R実行委員による検討・熟慮の上、台風の進行方向や位置を勘案した結果、トーナメントエリアの多くが風裏になったことから、安全面確保における問題はなく開催は可能である、という結論に達した。JBやTBCといった他団体においては開催を見送ったところもあると聞いているが、それはそれで正しい判断であったろうと考える。霞探Rの猛者たちだけでなく、バスフィッシングを愛する各位においては、ぜひとも天気等のフィールドコンディションをよく理解し、無謀な釣行は回避いただくよう、切にお願いしたい。

朝の集合時間は5:30。
この時期になるとまだこの時間でも朝は暗い。しかし、霞探Rの猛者たちはすでにおメメぱっちり。台風接近をものともせず、いつも通り釣欲満点である。この時間はまだ降雨はなかったものの、明るくなってくると、今にも泣きだしそうな空模様が見えてくる。数か月に一回の開催と定例で行われる霞探Rであるが、やはり猛者たちの顔を見ると自然と顔が綻ぶ。そして今大会の検討を皆が互いに誓い合い、エリアへと散っていくのである。

さて、第4戦が実に渋く、タフで、釣果もしょっぱめと、意味合い的にネガティブな言葉しか並ばないようなものだったことは既報の通りである。
某、昨年AOYの方に言わせると「嫁並みにタフコン」という声も聞かれたぐらいである。もちろんこの状況は誰にとっても平等に降りかかってくる。そんな渋い中でももちろんバスは活動をしているわけで、その活動には理由がある。今大会においてバスをキャッチしてきた17名はまさに、2014年10月5日におけるバスの活動の根拠を探し当ててきたと言える。

残念ながらボーズに終わった猛者たちは、もちろん非常に悔しかったことと思う。
来期へのリベンジの誓いを立てるもの、一年間参加しての成長を感じるものなど、様々な思いがそれぞれの胸に去来していた模様である。霞探Rは参加者全員に報告書を提出してもらっている。今回はその中でノーフィッシュに終わった面々の報告書コメントを一部抜粋でご紹介しよう。

メンタルが弱い」
「バスchan達は旅行に行ったようで。。。」
「来年はバスしか釣らん!!」
「ガイド成功でした」
「ウメザトさんの写真を撮ったら、今までで一番でかいキャットが釣れました」
「来シーズンもフル参戦めざして、大地に宿題ガンバって欲しいです」
「4月から参加させていただき、楽しい時を過ごせた。本当にありがとうございます」

若干一名ほど、外道の呪いがかかった方がいるようですな。。。皆さん、来年もがんばろうね。

状況を見てバスを探し、その場所にバスがいると信じて、そのあと今度は口を使わせなければならない。
世間一般ではブラックバスという魚は悪食である、と言われて久しいが、そこにいても口を使わないバスが世の中にたくさんいることをバスフィッシャーマンは知っている。これらすべての状況を攻略し、プレミアムなバスをキャッチできた者に栄冠が輝くのは言うまでもない。

秋のこのシーズン、バスの動きはワカサギの動きに大きくリンクすると考えられている。江戸幕府の11代将軍家斉へと献上された霞ヶ浦のワカサギは、それ以来漢字では「公魚」と表記されるようになった。このワカサギを追うバス。じゃぁワカサギはどこにいるんだ?そう、それが問題だ。霞探Rの猛者たちは水辺にある些細な情報を組み立て、バスを追いかけていくのである。

季節に対しての得手不得手、というのもあるのかもしれない。昨年の最終戦、ハードベイトで爆発した渡辺兄弟の釣果は記憶に新しいが、今大会においても同様クランクベイトとスピナーベイトを男引きで獲ってきた。報告会では「アキオトコ」という声も挙がっていたことをここで指摘しておこう。

一方で、年間通してマイウェイを貫き通し、それでも釣果を得てくる者もいる。
そう、みんなの人間国宝「ロリ」西澤氏である。今回もまた「いつも通り(ご本人談)」、19㎝のバスをキャッチしてきた。小さいバスがいるところを探し当てる「嗅覚」と、小さいバスに口を使わせるというバスに対する「読心術」、そしてこんなにも小さなバスに対しフッキングするという絶対的な「技術」は圧倒的である。「いつも通り」って、なかなか言えないよ?やはり人間国宝、さすが。

フィールドのタフコンディションは年間AOYレースに雁首をそろえる面々にとってもそれは同様。違うのは、AOYの可能性があるための意気込み、鼻息の荒さである。はたしてどんなドラマが待っているのだろうか?改めて第3戦完了時点での暫定年間ランクを確認しておこう。

1位:MAC 松村213cm
2位:愛妻家平塚 211cm
3位:ランカー須田 200cm
4位:丹殺しテツジ 174cm
5位:りゅう爺 171cm

暫定1位のMAC松村氏から暫定5位のりゅう爺氏までのサイズの差は42㎝。これら5名が42㎝の内部で激戦を繰り広げたのである。

そんな中起こったまさかの1つ目は、ランカー須田さんとりゅう爺氏のノーフィッシュである。
第3戦の優勝者であるりゅう爺氏とBig Fish賞の伝道師であるランカー須田さんのノーフィッシュはまさに事件である。りゅう爺氏は霞探Rの報告会・表彰式の準備のため、実質の釣り時間についてハンデがあったことは事実であるが、スピナーベイトで食わせたビッグバスをバラシた様子が目撃されており、紙一重だった模様。ランカー須田さんは「実に悔しい。引退がまた伸びた」とのこと。来年に向け、改めて気合を入れなおして参加してくれるに違いない。選手会長、よろしくお願いします!!

年間AOY争いはMAC松村氏、愛妻家平塚氏、丹殺しテツジ氏の3名に絞られた。
MAC松村氏は言わずと知れた霞ヶ浦最強のプロガイドで第3戦に50㎝のバスをキャッチ、愛妻家平塚氏は昨年のAOY、丹殺しテツジ氏は旧霞探の最終年度におけるAOY、いずれの3人も実績のある実力者たちである。そして渋かった最終戦に確実にバスをキャッチしてきた。もはや誰が勝ってもおかしくないのである。

報告書を各人が提出する際は、まだ誰がAOYになるかは誰も知らない。
そこでは私、ニッシー西嶋だけは集計を済ませ、結果を知っていた。ここで起こったまさかの2つ目。第4戦目の結果を受け、MAC松村氏と愛妻家平塚氏のトータルサイズの差は、わずかに1㎝しかなかったこと。実に拮抗したこの2名の戦いは、愛妻家平塚氏に軍配!!MAC松村氏は34㎝を1匹ウェイインしてトータルは247㎝、愛妻家平塚氏は19㎝と18㎝の2匹をウェイインし、トータルは248㎝!!

MAC松村氏はこの2週間、厳しい霞ヶ浦の状況をツブサに見てきた。
WBSのクラシック出場を決めた後、不肖ニッシー西嶋よりお祝いのメールを送ったところ、「霞探RのAOYも本気で狙うよ!!」という返信があった。今大会ネコリグでキャッチしたバスは、やはりこの厳しい状況の中で絞り出すための策だった模様だが、そんな中での34㎝の価値は計り知れず。実に惜しかった。ちなみにMAC氏、2014年度においては全戦ウェインを実現した数少ない選手である。こんな彼も、「今大会の皆さんの釣果、勉強になりました」と、まだまだ今後に向けての意欲満点。WBSクラシックも頑張ってもらいたい。

平塚氏は終盤の時間までノーフィッシュだったものの、通りがかる霞探Rの猛者たちから、たくさんの応援をもらい力になったとのこと。
最後の最後、「心の師匠」とも言うべき「ロリ」西澤氏の十八番、ワームを千切ってバスに口を使わせるという国宝級の技術でこの2本をキャッチした。最後の最後でプレッシャーがかかる中で絞り出したこの2本は値千金。平塚氏は2014年シーズン、唯一全戦リミットメイクを達成。確かな技術、実力がMAC松村氏を“マック”ッたといえるだろう(オアトがよろしいようで)。

そして最後のまさかは、そう。丹殺しテツジ氏の大逆転劇である。

既報の通り、この厳しい中で40㎝UP2本を含む合計4本と、今大会における最多数キャッチを果たしてしまったのは実に素晴らしい。
話によるとテツジ氏、前日のプラクティスではよい感触が得られなかったとのこと。これが「釣れないプラクティス」として切り捨てる作業が実に 効果的にできた、ということなのだろう。競技時間内に2度ほど事件があったそうだが、もう1回事件が起きたら、今度は50㎝UPが釣れるに違いない、というポジティブなマインドで競技時間を過ごせたというのも、実によい精神状態で最終戦に臨めた明らかな証である。そしてダウンショットでキャッチした43㎝と41㎝は合計258㎝と、2014年度のAOYを連れてきてしまった。テツジ氏は今年、第1戦はノーフィッシュと苦渋を飲んだが、第2戦以降ウェイインした6匹のバスはいずれも40㎝オーバーと、安定してビッグフィッシュをキャッチしてきており、実に素晴らしい結果だったと言えるだろう。テツジ氏、本当におめでとうございます!!

全戦終了した結果、2014年の年間最終成績TOP5は以下の通りである。

1位:丹殺しテツジ 258cm
2位:愛妻家平塚 248cm
3位:MAC松村 247cm
4位:ランカー須田 200cm
5位:財務大臣中村 189cm

これにて2014年の全戦が幕を下ろした。
報告会・表彰式が開催されている潮来ホテルの外は土砂降り。しかし霞探R実行委員の心は晴々としていた。2014年シーズン、無事に最終戦まで終えられたのは、一重に皆さんのおかげである。ここに改めて、御礼を申し上げます。また来年、皆さんの元気なお顔を拝見することを心より楽しみにしております。

最後に、スポンサー各社、各位様へ、2014年の霞探Rの公式プログラムが、皆様のおかげをもちまして今年も滞りなく終了いたしましたことをここにご報告申し上げます。
参加人数の増加もあり、霞探R自体の知名度が上がっていることに伴い、フィールド、釣り人のモラル等への責任も自覚し、2015年も活動を継続させていく所存です。これからも皆様への恩返しができるよう、研鑽を続けたいと考えておりますので、次年度も何卒、よろしくお願い申し上げます。

(レポート:ニッシー西嶋)

※今大会、以下の協賛各社、協力各社にサポートいただきました。まことにありがとうございました。

<ご協賛(順不同、敬称略)>
東亜ストリング株式会社(レグロンライン)
開発クランク
カハラジャパン株式会社
大丸興業株式会社(DAIKO)
株式会社スミス
VAGABOND
プロズファクトリー
株式会社サンライン
株式会社ラッキークラフト
GAN CRAFT
GETNET
エバーグリーンインターナショナル
メガネのスエナガ
オフィスZPI
HIDE UP
株式会社アムズデザイン
NITTI BAIT
BOREAS
NORIES
O.S.P.


<ご協力(順不同、敬称略)>
ANGLERS PLAZA 岸波
プロショップ・ケイズ
プロショップ ランカーズ
潮来ホテル
ビジネスホテルトキワ

<特別協賛>
吉田 幸二
蛯原 英夫