「他の人がやっていない」ワザ、炸裂!!
財務大臣中村氏の後押しが人間国宝の技を引き出す!!

22014年7月6日。新利根川松屋ボート店さんを拠点に、霞探Rのボート戦が開催された。最も霞探Rっぽく、また最も霞探Rっぽくない大会が今年もやってきた。

朝のミーティング。なんかマッタリと見えますが、水面下では駆け引きが・・・!

準備万端!順次水面へ踊りだした選手たち!

外道賞は唯一ウェインの平塚・大崎チームに。外道が1匹しかないのも珍しい!

敢闘賞はスタートコールの根本・長谷川チーム。パラダイスでうはうは!!船中8匹はお見事!!

技能賞は藤咲・石山チームに。見えバスを見つけるのが早い!!引出しの多さもGoodです!

ビックフィッシュ賞は内田・須田チームが獲得!他の人のボートポジションがポイントでした!さすがー!!

第3位はビックフィッシュ賞と同時受賞の内田・須田チームに。引きが強い!持ってますねー!

第2位はコチラもダブル受賞!藤咲・石山チーム。他の人の斜め上を行くフィッシングテクですかー!

そして2014年ボート戦のWinnerは中村・西澤チーム!!霞探Rが誇る人間国宝がやってくれました!!あっ、30cm以上は反則ですからw

ボート戦終了!!次は真夏の第3戦です!

霞探Rと言えば、毎大会色鮮やかな人情にあふれ、そして優しさや暖かさに溢れたフィッシャーマン団体として世界中に名を轟かせている。特にこのボート戦においては2名同船システムを採用していることからもわかる通り、チームワークの中で双方のフィッシングスキルの研鑽を図ることができる、通常の霞探Rおかっぱりレギュラー戦にはない側面を併せ持つ。自分だけでなくパートナーのスコアも含め全力で戦う、「One for all. All for one.」の精神の体現と言っても過言ではないだろう。ボート戦はまさに霞探Rが世に誇る美点を最も濃厚に味わえる大会なのである。

一方、霞探Rはメンバーを「猛者たち」という表現をこれまでしてきていることからもわかるように、釣欲に駆られ、7割ぐらいのメンバーが前日寝られない、もしくはちょっとしか寝られない、という遠足前の幼稚園児ライクな集団である。そしてこの釣果を年間成績で少しでも他のメンバーよりも上位に行ってやる!!というアスリート集団でもある。だが、ボート戦は年間成績には反映されないため、ひときわマイルドな雰囲気で開催されるのである。通常とは異なるこの大会は、日常生活の戦士たる猛者たちの休息のヒトトキであり、純粋に釣りが楽しめる癒しのヒトトキなのである。

さて、霞探Rボート戦ともなると、他団体でも活躍する選手の顔ぶれも忘れることができない。今大会はJLBAで活躍する塩谷選手、H-1に参戦している斉藤選手、新谷選手といった、レンタルボート戦の歴戦の勇士達が名乗りを挙げてくれた。新利根川を主戦場としている塩谷選手のエリア選定眼、斉藤選手のハイマウントバウデッキと超高速エレキ、新谷選手の超(×5)高級魚探など、釣果に留まらない話題を提供してくれたことは、忘れてはならないのである。

さて、開催当日の7月6日であるが、前日までの梅雨らしい雨模様が続いた状況から一転、日差し高く気温急上昇する「The Summer!!」となった。前日までの雨や風による濁りがスタートエリア付近には目立つ状況であり、天候や水の流れがエリア選定戦略としての重要なファクターとなったことは言うまでもない。天気の良さ、風も強くない状況というのはまさに霞探Rの猛者たちの日頃の行いの良さが現れたものと言ってよいが、バスだけでなく当の人間にとっても日照りに対する体調管理が必要な状況となった。天候、水の状況、体調維持。これらを相手取り、霞探Rの猛者たちは新利根川バスに挑んでいったのである。

ボート戦と言えば、実行委員の丹氏が参加者たちのために苦労して凍らせたアクエリアスが、当日の肌寒さでまったくの無駄になることで有名であったが、霞探R3年目を迎えたこのボート戦にして初めて、この苦労が報われた。丹氏は大会が終了して帰宅した後、ぶさおが主人のベッドを陣取る横で一筋の涙を流したそうだ。みんな、今度お礼を言おうね。

朝のボートセッティングや受付の後、6:00に根本・長谷川チームによるスタートコールにより、ボート戦の火蓋が切られた。これまでの霞探Rにおいては、“スタートコールの呪い“がまことしやかに囁かれていたが、当ペアは後述の通り見事にこの呪いを払拭してくれた。そしてスタートコールのわずか1分後、選手たちがファーストポイント目がけて突き進み始めた矢先、平塚・大崎チームによるファーストフィッシュキャッチがアナウンスされた!!通称「パラダイスオダ」。ここにもあったか、「パラダイス」。。。平塚・大崎チームによる先制攻撃は各チームの心理状態へ少なからずダメージを与えたに違いない。

こうして今年のボート戦は幕を開けた。果たして結果やいかに。

既報の通り、今回参加の16チームのうち、13チームがウェイインを果たした。もちろん魚を持ち込めなかったチームにおいても、持ち込んだチームにおいてもそれぞれのドラマがあったことは言うまでもない。ちなみに霞探Rの報告会ではそれぞれのドラマを、各人が自分の言葉で報告する。もちろん他の人がどのようなメソッド、技術を駆使したのかを傾聴することは大事だが、自分がやってきたことを振り返り、言葉にすることもまた、自らの経験を活かすという意味で重要なことだ。霞探Rの報告会の方式は実はこんな教育的価値がある。

報告会において特に印象的だったのは、前述のH-1参戦の斉藤選手の「同船した丸山さんの釣法は僕に新しい引き出しを与えてくれた」という言葉や霞探R実行委員長のMAC松村氏も同様に、「他の人と同じことをしていてはデカい魚は獲れない」という総括。それを端的に表したのが、ランカー須田さんの「誰も狙っていなそうな」ブレイクを探ってのビッグフィッシュ賞獲得である。天候や水という要素に加え、「他の人がやっていない」ようなことにチャレンジした人が、プレッシャーの高い新利根川における天才級のバスに口を使わせた、ということなのだろう。最早セオリーだけでは霞探Rでは勝てないほど、レベルの高い戦いが繰り広げられていたのである。

このようにビッグフィッシュ賞は、第3位とのダブル受賞となった内田・ランカー須田チームが獲得となった。しかし、須田さんの行くところには必ずデカいのがいる。おかっぱりのスペシャリストとして名高い須田さんはボートに乗ってもランカー須田さんであることを見事に証明した。内田氏も須田さんとの息はピッタリ合っていたようだ。内田氏は須田さんのPTD+テナガのワザを間近で見ていたわけで、霞探Rの次戦以降の成績も注目されるところだ。

第2位と技能賞をダブル受賞した藤咲・石山チームもまた、「他の人がやっていない」ことにトライしたチームである。このチーム、船内5本という好釣果であったのだが、ジグヘッドワッキー、ノーシンカー、チャターベイト、ムシと、様々なリグで魚をキャッチした。中でも藤咲氏のムシサイトでのキャッチは、氏の技術の高さを示すもので、同船の石山氏も大興奮だったと述懐している。

敢闘賞受賞となった根本・長谷川チームであるが、釣果だけを純粋にみると、今大会はこのチームの大会だったと言える。速報でも報じたとおり、船中8本のキャッチは圧倒的。長谷川氏のシャローでの10gテキサスでのキャッチというのは、MAC松村氏でさえ予想の範疇を超えていたとのこと。「他の人がやっていない」リグでのキャッチは実にカッコいい。なぜ10gテキサスだったのか。長谷川氏、今度ぜひ語ってください。なお、同船の根本氏は「口パク」という流行語を生んだ昨年のボート戦に続き、実に存在感のある結果を残していると言える。

外道賞受賞の平塚・大崎チームは前述のとおり、参加チーム全体でのファーストフィッシュをキャッチしたチームである。外道賞受賞ではあるが、バスのキャッチがあまりに印象的である。報告会で明らかになったのだが、1投目でファーストフィッシュのバスが釣れ、なんと3投目でリミットメイクを果たしたという、恐るべきチーム。こんなに恐ろしく釣れるルアーは何だったのか興味深いところだが、なんとBOREASアノストレート4.5インチだったとのこと。評判のストレートワームがとうとう火を噴きだした。なお、報告書にある記載は平塚氏が書いたものだが、そのままの記述をご紹介しよう。今度、ぜひ見せてもらいましょう。

 <今月の発見>
 ・サキさんの使っているリールがすごい(20年モノ)
 ・サキさんは両投げ
 ・同じワームを100袋、大人買い

そして霞探Rボート戦の優勝に輝いたのは中村・西澤チーム!!朝の早い時間に西澤氏が28㎝をキャッチしたものの、その後は4バラシで、「ウデが落ちた」と。確かに誰もが知る西澤氏の実力は「ロリバスハンター」として名高いものであるが故、イチマルクラスを期待してしまう。いつも期待に応えてきた西澤氏もやはり人間であり、コンディションも起伏がある、ということか、、、と思われた終了一時間前、財務大臣中村氏によるリミットメイクを果たす1匹!!中村氏もまた例年のAOYレースの常連であり、実力者ぞろいの霞探Rにおける血統書付の実力者である。体調が万全でないということではあるものの、さすがである。そしてこの1匹は人間国宝を奮起させるには充分すぎる1匹で、充分すぎたがために勢い余って38㎝という、西澤氏にとっては外道とも言えるサイズをキャッチ!!最後にキャッチしたこの1匹が中村・西澤チームに優勝を運び込んだ。キャッチしたリグは、「他の人がやっていない」イモグラブ30のダウンショットだったこともここに付記しておこう。

こうして、3回目を数える霞探Rのボート戦は幕を下ろした。「他の人がやっていない」がキーワードになったこのボート戦。霞探Rのボート戦は、レギュラー戦と同様にライブウェルを使わず、デジカメによるウェイインで行う大会であり、「他の団体がやっていない」手法を取っている。バスを必要以上に傷つけない施策であり、且つボート戦に対する意識のハードルを下げる目的もある。おかっぱりでバスを追いかける面々も、ボートの釣りにチャレンジすることで、新しい扉を開いてみてはいかがだろうか。

なお、この報告会は松屋ボートで激ウマの食事をいただいた後、店内をそのままお借りして実施した。賞品までご提供いただき、誠にありがとうございました。松屋さんと言えば、モツ煮定食が有名である。ハッキリ言って、超美味い。なお、不肖ニッシー西嶋的には、親子丼もかなりのオススメである。ぜひご賞味あれ。

(レポート:ニッシー西嶋)

※今大会、以下の協賛各社、協力各社にサポートいただきました。まことにありがとうございました。

<ご協賛(順不同、敬称略)>
東亜ストリング株式会社(レグロンライン)
開発クランク
カハラジャパン株式会社
大丸興業株式会社(DAIKO)
株式会社スミス
VAGABOND
プロズファクトリー
株式会社サンライン
株式会社ラッキークラフト
GAN CRAFT
GETNET
エバーグリーンインターナショナル
メガネのスエナガ
オフィスZPI
HIDE UP
株式会社アムズデザイン
NITTI BAIT
BOREAS
NORIES



<ご協力(順不同、敬称略)>
ANGLERS PLAZA 岸波
プロショップ・ケイズ
プロショップ ランカーズ
潮来ホテル
ビジネスホテルトキワ

<特別協賛(敬称略)>
松屋ボート店