イチマルサイズのバスが乱舞!!
霞ヶ浦南岸で掴み取った17年目の初勝利!!

7月30日。1971年のこの日、アポロ15号が月面に着陸した日である。
1人の小さな一歩が人類にとっての偉大な一歩になってから46年が経過したこの日、霞探Rの第3戦が開催された。。

熱戦前のお馴染みの光景。みんな集合時間前に集まってますねw

そしてルール説明はお約束。ただ最新情報も伝える場でもあるので皆さんよく聞いていてねー

由緒正しい「ゴミ拾い袋」の説明中。競技中のゴミ拾いも霞探Rではお馴染みの作業!

今回のスタートコールはゆずさん登場!!ナビゲーターにトビちゃんも参加で熱戦がスタートしました。

人間国宝の荒業の結果です。葉っぱじゃないですよwこのサイズをちゃんと口にフッキングさせます。流石国宝!

3位はウメちゃんが獲得!イチマル戦略が結果的には大成功!

2位は人間国宝ローリー西澤氏!またまた必殺技全開でイチマルをしばきあげましたwそのうち特集でもしますか!?

優勝は苦節17年!霞探の歴史証人ジッパー石川氏の頭上に輝きました!!いやー、長かった。今までも優勝のチャンスはありましたが今一歩が届かない・・・遂に栄冠に手が届きました!

競技中のゴミ拾いも忘れてません。立ち寄ったポイントにゴミがあれば普通に拾う・・・霞探Rは普通にやりますよ、普通にね!

ツカレタヨ、ジャアネ!

現在の霞ヶ浦はと言えば、とにかく減水状態。 護岸化されてなければ湖の形も変わっていたのではなかろうかと思うほど、水が抜かれている。 タイミングの問題などもあるのだとは思われるが、すなわちおかっぱりには厳しい。シャローがどシャローになり、さらに瀬の世界まで到達。バスなんかこんなとこにおるかーい。

第3戦は霞ヶ浦南岸エリア。 昨年と同様、北は大山、南は北利根橋まで。まぁ北というよりは西。南というよりは東。霞ヶ浦の南、下流域の西。 やれやれ、北風が吹いたらザブザブじゃないか。それはあまりに明白で、圧倒的な事実だ。しかし、ほとんどの猛者たちは「うん、悪くない」と頷いたことだろう。 なぜならそこには「霞ヶ浦水系のアマゾン」とも言える、蜘蛛の巣のように張り巡らされた流入河川があるからだ。 そう、主戦場は葉脈の如き新利根川、野田奈川、北水路、南水路、小野川、高橋川だったのである。

当日の朝5:00、和田公園駐車場に続々と猛者たちは集まってきた。 設定された集合時間は5:30。武者震いを止められない総勢48名の霞探Rの猛者たちは、老若男女問わず睡眠不足を釣り欲で代替し、霞探R第3戦でありったけのコスモ(小宇宙)を燃やすのである。

この時、霞探Rの猛者たちはすでに気付いていた。 この日はそこまで気温が上がらないことに。薄曇り男もっちー氏が秘めた力を如何なく発揮し、この日の天候はザ・曇天。そして北西の風が霞ヶ浦を吹き抜け、競技エリアたる霞ヶ浦南岸は、朝から護岸に激しく波が打ち付けられていたのである。 ここ数日の間、気温も30℃に届くかどうか、といったところ。一時期は霞ヶ浦の水温も30℃に到達していたが、27℃ぐらいまで下がっていた。雨の心配はなさそうだが、この日の天候と近日の水温の変化がどうバスに影響するのか、 猛者たちは妄想という武器を不器用に最大限駆使して、競技エリア制圧に駆け出していったのである。

プラクティスの状況は、様々な人が様々な媒体で報告していた。 SNSだったりブログだったり。釣り人たであるが故に、釣れた魚を誰かに見せたいという自己顕示欲は、活火山のマグマのようには沸々と溢れ出てしまい、これを見た霞探Rの猛者たちは、羨望と焦燥の狭間で克己を誓うのである。 それにしてもプラクティスでは各位よく釣れていたようである。魚の写真が多いブログやSNSでの露出は景気よく見えるのは事実である。ただ、デカい魚を釣るか、数多くのバスを釣るか。 プラクティスの時点で大きくな二分化されていたように、編集長は記憶している。大会前の時点では特に疑問にも思わなかったのだが、既に第3戦の結果は暗示されていたのだ。

サマーシーズンとなり、気温も水温も上がりきった7月末。 スポーニングシーズンも今は昔。 回復して自由気ままに過ごすバスたちは、少しでも過ごしやすい場所をチョイスしているのだろう。それがシェードだったり流れだったり。そんな中でベイトに遭遇しやすい場所が大きなバスの居場所となり、 そうでもない場所が小さなバスが大量に泳ぎ回るエリアになるのだろう。故に、前述のプラクティスの結果における大きな差が出たのだろう。

この時期のベイトといえば、やはりテナガエビ、ゴリ、チチブといったシャローのハードボトムに生息する生物か、もしくは周りよりも水温が低い場所に集まるようなワカサギや淡水サヨリであろう。 もちろんバスと生息域が被るようなブルーギルもバスの捕食対象になっているのではないかと予想される。どんなバスを狙うのかは、その日のコンディションを考えるのか、もしくは自信のある釣りを貫き通すのか。ズバリ、あなた次第。

結果、今回の猛者たち48名、すなわちKTR48の総選挙ならぬ霞探R第3戦の釣果は、37名がバスをキャッチする、という実によく釣れた大会となった。 そして、バスをキャッチした者たちの間においても、プラクティス同様にデカい魚を釣るか、数を多く釣るかの差が大きく出たのである。おそらくこれが夏の大会におけるパターンを如実に表したものといえるだろう。

デカいバスをキャッチしたといえば、世界の北村氏。 「バスってのはさ、こうやって釣るんだぜっ!」と、PTD+テナガホッグで縦ストから大根のように引き抜いた49cm。 いや、さすがである。しかしここで奥様が黙っていない。 そんなもの、私が超えてやるわよ、と。HPシャッドテール2.5を駆使して25cmのバスをキャッチ!しかも2本!結果、トータルレングスは50cm!そうだ。霞探Rは2本リミット、年間争いには各戦2本ずつのトータルレングスで争うのだ。 すなわち、1本の49cmよりも、2本の25cmの方がエラいのである。一本取られた!コロンブスの卵的発想による北村家の家庭内バトル。要は仲がよいのである。 ちなみに横浜にお住まいの世界の北村氏、ものすごい頻度で霞ヶ浦に足を運んでおり、日本の四季を霞ヶ浦湖畔のみで愛でている、と言って過言ではない。もはや霞ヶ浦湖畔に別荘を購入したのではないか、と編集長は睨んでいる。

数釣り、という点においては、この方の右に出る者はいなかった。 今や、OSPのHPシャッドテールの伝道師とも言われるウチダ氏である。今回もまた、伝家の宝刀HPシャッドテール2.5を駆使し、サイズは出ないもののトータル10匹以上をキャッチしたという。 しかし途中で面倒になって数えるのをやめたらしい。場所は新たな名所か、「ノンちゃんストレッチ」。幾人かの猛者たちがノンちゃんストレッチでリミットメイクを達成し、報告会においては「ウチダ先生」と称されるに至ったのである。

なおHPシャッドテールの使用率は凄まじく、今大会のウェイイン成功者の中での使用率はダントツトップ。 なんと8名の猛者がHPシャッドテールでの釣果を得ていた。ご存知の通り、今年のウチダ氏の釣果がHPシャッドテールによるものが非常に多く、この影響による使用率の高さは決して否定できないのである。 ウチダ先生、レポートお待ちしてまーす。

ウェイインされたバスは結局、20cm台が圧倒的に多く、その次が30cm台、そして10cm台も数多くエントリーされた。 すなわち、小さなバスが多かったということだ。これはウェイイン対象バスのエントリー時に、ミステリーレングスにおいては10cm台が有利になるという心理が猛者たちの間に働いたことも意味するのである。 つまり、10cm台(通称「イチマル」)が通常希少価値が高いサイズであることを踏まえたエントリーであったものの、実は多くの猛者たちがイチマルのバスをキャッチしていたことを意味しており、猛者たちにとっては誤算であったといえる。 そしてもちろんあの方も当然のようにキャッチしていたのである。

ローリー西澤氏は今大会2匹のイチマルを含むトータル6匹のバスをキャッチ。 最大26cmのバス。安定感のあるバスのチョイスを見せた。そして今回猛者たちを魅了したその技は2つ。 一つ目は、OSPドライブシュリンプ3インチの足だけをリグってバスをキャッチする、という伝統芸。もはや「ちぎる」という世界から「もぎ取る」という世界にまで昇華し、その技術を見せつけてくれた。 ワームをちぎる行為自体は霞探Rにおける大きな武器として認知されているもの。 ただ、もう一つの技は圧巻。オリジナルのドライブシュリンプ3インチを使用して食わせた魚は、なんと5cmのブルーギル!!写真を確認した折、編集長は思った。なぜローリー師匠は葉っぱを笑顔で持っているのだろう、と。 もはやタナゴや金魚のサイズのギルを、3インチのオリジナルサイズのドライブシュリンプで食わせ、かつフックアップさせるという神業。猛者たちは今大会もまた、この奇跡を目の当たりにしたのである。

このように、バス以外の魚も当然今回ウェイインされている。 そして今や霞ヶ浦名物となったキャットフィッシュもまた、霞探Rにおける外道賞を狙うに当たっては、重要なターゲットになっているのは言うまでもない。 そして今大会、貴重な実釣時間のうち、なんと90分も時間を1匹のキャットフィッシュとのファイトに要した漢がいた。かつて「クリスタルSの魔術師」の名をほしいままにしたマルヤマ氏である。 掛けた魚が全く顔出さず、とにかくデカイ。近くにいた見知らぬアングラーに「ちょっと持っててください」とランディングネットをもたせ、そのまま90分。ようやく顔が見え、巨大なキャットフィッシュであることを確認できたとき、 生じた心の緩みからか、集中力とともにラインもプッツリ切れたのだそうだ。霞探Rの競技時間は13:00まで。長い人で1/3ぐらいの時間は運転しているであろうから、実質釣りをしている時間は4〜5時間といったところである。 そんな中の90分を消費したマルヤマ氏。実にお疲れさまでした。

ちなみに霞ヶ浦おいては、まだメーター超のキャットフィッシュは確認されていない。 メーター級までは確認されている。メーター級も相当に貴重な魚である。キャッチされた方は是非、写真をご提供いただきたい。

とはいえ、苦戦を強いられた面々も多い。 何と言っても霞ヶ浦水系のアマゾン、油断すると迷子になる。今回のエリアの地理に明るくない場合は1本のバスははぐれメタル級の希少価値を感じることになる。 そしてあまりにも強烈なプラクティスを敢行してしまったものは、その亡霊に取り憑かれたままタイムアップを迎える運びとなってしまった。報告会におけるゼロ申告が巻き起こした「えーっ!?」という驚きの声は、 彼らの実力を表す尺度であると言ってよい。今回バスをキャッチできなかった皆さんには、次戦でのリベンジ・大活躍を期待したい。

さて、今大会なの入賞者をご紹介しよう。

敢闘賞は、霞探Rの正式メンバーとなってからの初のウェイインを果たしたコバヤシ氏に贈られた。 初ウェイインだと?という疑問を持った面々も多かったのではなかろうか。今年のゆずCUPで54cmというモンスターをキャッチして圧勝したのは記憶に新しい。正式メンバーとしての初のウェイインはMibro ダブルウィップによる29cm。 ご本人が「今回のウェイインは本当に嬉しい!」としきりに言っていたのが実に印象深い。

技能賞は、46cmを筆頭に10cm台、20cm台、30cm台とそれぞれの魚を釣り分けた薄曇り男もっちー氏に贈られた。 OSPドライブクローを駆使しての霞ヶ浦南岸の攻略は見事。かなり丹念なプラクティスを敢行したそうで、努力の結果が形になった素晴らしい結果であったと言える。 しかし、彼のこの日のクライマックスが表彰式を終えた後に到来しようとは、誰も知る由もなかったのである。詳しくは霞探RのFacebookをご参照いただきたい。

外道賞は、バスの他にタナゴ、ザリガニ、ウシガエルの計4目を達成したアオヤマ氏に贈られた。 4目を1人で達成した人がかつていたか?過去の大会に遡って記録を確認したところ、2013年の霞探R第2戦で、かつて「外道の男」の名をほしいままにしたウメザト氏がギル、ニゴイ、鯉の3目を達成さしており、 アオヤマ氏がこの記録を4年ぶりに更新!この偉大な記録に挑むのは誰か!?ウメザト氏が王座を取り戻すのか!?実に楽しみである。

ビッグフィッシュ賞は前述の世界の北村氏! 49cmという魚は明らかにランカーサイズ。 よく言われる話だが、でかいバスがいる場所には理由がある。出会い系のバスがたまたまデカかった、ということはほとんどありえない。すなわち、この日でかいバスがいるところに辿り着くためには、磁石のように吸い寄せられるのではなく、 なぜそこにバスがいるのかを分析し、理解してこそこのバスに出会えるのである。そして北村氏を見て思うことは、やはりフィールドに出ることは大事だ、ということである。

ここからはミステリーレングスによる上位3名となる。 特に今大会のようにウェイインによるエントリー数が多い大会においては、入賞の希少価値の高さはより貴重なものとなるのである。

第3位はウメザト氏!! 今大会は完全にミニマムサイズのバスを狙ってきた模様。 ドライブクローラーのテールだけをちぎった、もはやコメグラブを使用してキャッチした魚はなんと11cm!!その他のルアーでキャッチしたバスも12cm、13cm、14cmと、完全にイチマルをロックオン!! そして見事に第3位を勝ち取ったのである。かつての外道の男、いろいろやりおるのである。余談だが、最近「アメザリ」が「ウメザリ」に見えてウメちゃんを思い出すことがよくある。だからどうした。

第2位はローリー西澤氏!! ドライブシュリンプの足をもぎ取るという伝統の技を見せてくれたローリー師匠だが、報告書には若干の悩みが垣間見える。「サイズアップできないー。」と。 最初、編集長は「ローリー師匠も人間なのだ」と微笑ましく思った。だが、気付いたのである。ローリー師匠はドライブシュリンプのもぎ取った足で、本気で40cmUPや50cmUPを狙っているのではなかろうか。 さすが人間国宝、今なお新しい技術・技を我々に見せてくれようとしているのである。

そして2017年霞探R第3戦の栄えある勝者は、苦節17年、とうとう初勝利をつかみ取ったジッパー石川氏!! 速報でも報じたように、2001年の霞探時代から参加しているジッパー石川氏。MAC松村氏とともに未勝利の辛酸をなめ続け、第2戦でも第2位に甘んじていたが、17年前の初恋をとうとう勝ち取ったのである。

ジッパー石川氏は今大会、「石川家の庭」とも言われるエリアをメインに考えていたが、アタリがあまりに遠いことから、プラクティスで特に好調だったといわれるBGNタケエ氏にコワモテガイドを依頼。 するとタケエ氏が目の前で手ほどきという名の元にバスを実際に釣って見せたらしい。そこから釣り方を理解した結果25cmと13cmをキャッチ。そしてこの13cmが見事に勝利を引き寄せた。まさにLucky13だったのである。

こうして霞探R第3戦は幕を下ろした。第3戦も終了し、残すはあと1戦のみ。誰もが気になるAOYレースの状況は、第3戦の結果を反映すると。。。 暫定順位は以下の通りである。

暫定1位:テツジ氏 207cm
暫定2位:MAC松村氏 198cm
暫定3位:キハチロー氏 159cm
暫定4位:世界の北村氏 130cm
暫定5位:ウチダ先生 127cm

テツジ氏とMAC松村氏の2強状態! キハチロー氏もまだ逆転のチャンスは十分である。AOYの可能性は、ほぼ上位3名に絞られたといってよいであろう。 ただし、最終戦は誰にも平等に舞台が用意されるのである。故に、誰もが記憶に残るバスフィッシングを楽しんでいただきたいと思うのである。

(レポート:ニッシー西嶋)

※今大会、以下の協賛各社、協力各社にサポートいただきました。まことにありがとうございました。

<ご協賛(順不同、敬称略)>
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開発クランク
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DUO
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Sedition
驀進ルアーデザインズ
TIEMCO
Black maria

<ご協力(順不同、敬称略)>
ANGLERS PLAZA 岸波
プロショップ・ケイズ
プロショップ ランカーズ
ビジネスホテルトキワ

<特別協賛(敬称略)>
吉田 幸二
蛯原 英夫
ゆずの木
伊佐部マッシュルーム組合(0299-79-2216)
神永さんちの畑
新利根屋ドライブイン