あれは2012年10月7日。雨の掘割川でキャッチしたバスが、石川大地少年に霞探R最終戦のMVPをもたらすという、霞探R史上比類ないエポックメイキングなドラマが起きた日だった。
しかし、このドラマには続きがあった。それは2014年4月21日。当時の興奮と臨場感の氾濫っぷりがありありと伝わるレポートをいただいた。
事前に多くを語ることはよそう。石川親子の「剛腕」体験記。篤とご覧あれ。
石川大地の蛯原英夫プロ同船体験レポート
(Angler's Comment:石川智規さん&石川大地さん)
2012年霞探R最終戦で掘割川でオヤジを差し置いて37㎝のバスをキャッチし、接戦のMVP投票で見事に蛯原英夫プロの同船体験を手に入れた大地のレポートです。
まず初めに2012年最終戦のMVPレポートがなぜこの時期になったのかをお伝えすると、10月ともなるとW.B.S.クラッシックやその他ビッグイベントが控えておりシーズン終了後には小学生の大地には釣りづらい状況になるので蛯原英夫プロから「大地君に絶対釣ってもらいたいからいい時期にやりましょう!」とのお言葉をかけていただき翌春以降で調整を進めてきました。
しかし、なかなかお互いのスケジュール調整が合わず、約1年半が経ってしまいました。もちろんその間も蛯原英夫プロからいろいろと声をかけて頂いていただいておりました。
そして4月のある日、「小貝川でJ.B.A.のトーナメントがあるので一緒に出場しませんか?」とお誘いをいただき息子に「蛯原さんから連絡があって、小貝川で一緒にトーナメントに出ようって言ってるよ。どうする?」と伝えると、「一緒にトーナメントに出るの?…ん?…トーナメント!!!!!! え! なに?! 出る出る出る!」と声が上ずってました(笑)
大地は蛯原英夫プロのバスボート「チューリップ号」にずっと乗りたがっていたので今回はアルミボートでの出場と聞いてちょっとガッカリしていましたが、結果的にはバスボートより小さなアルミボートがゆえに密度が濃い体験をすることができました。
では、インタビュー形式でレポートさせていただきます。
親父:「まず初めに一緒にトーナメントに出ると聞いてどう思った?」
大地:「びっくりした。あのエビちゃんと僕がトーナメントに出られるの!? と思った。」
親父:「連絡をもらってから当日まではどんな気持だった?」
大地:「蛯原プロと釣りができることなんてなかなかないチャンスだから頑張ろうと思った。」
親父:「連絡をもらってから当日まではどんな気持だった?」
大地:「蛯原プロと釣りができることなんてなかなかないチャンスだから頑張ろうと思った。」
親父:「当日の朝はどんな感じだった?」
大地:「朝早い出発だったけど、どんな感じで釣りしたらいいのかを考えてて、ドキドキして車の中で寝られなかった。」
親父:「アルミボートは初めてだったけどどう? 怖くなかった?」
大地:「予想以上に速くてビックリしたけど、小さな橋をくぐったりして面白かった。」
親父:「スタートは緊張しなかった?」
大地:「小田島プロとかW.B.S.で会ったことある人がいっぱいいたから大丈夫だった。」
親父:「ファーストポイントに着いて、蛯原プロや親父よりも先にバイトがあったけどどうだった?」
大地:「今日は釣れるかも!これはイケる!! と思ったけどバレちゃった。」
親父:「残念だけどそうだったね。やっぱり普段のオカッパリとは違ってスピニングタックルで遠投してあのサイズの小貝バスをフッキングさせるのは難しいね。」
大地:「ベイトタックルだったらフッキング出来たかも知れないけど、いつもと違うことも練習しないとだめだね。」
親父:「でも蛯原プロが使ってたロッドはエバーグリーンのパワーシェーカーだったからガッチリとフッキング決まってたね。」
大地:「ラインが切れそうなくらいに合せていたけど、リールがオーパスワン(なぜか赤!)で性能がいいから切れなくてビックリした。」
親父:「一匹目はお父さんがランディングしたけど二匹目からは大地がランディングしたよね。」
大地:「小貝川のバスは大きくて背びれもピンと立っててちょっとビビった。」
親父:「今回使ったリグは?」
大地:「ちょっと詳しいくは言えないんだけど、ゼロダンのキャロ。これだとラインがボトムに着かないからラインが痛まないんだって。使ったワームはエバーグリーンのプロトで、サイズに秘密があってね…そこんとこはあとのお楽しみだった。とにかく釣れるワームだった。」
親父:「あ、あれはヤバイよ。発売になったら霞探Rでも大人気になるね。間違いない。」
大地:「いや霞探Rだけじゃなくみんなが使うでしょ!」
親父:「トーナメントで釣りをするってどんな感じだった?」
大地:「おかっぱりトーナメントとは違う楽しさがあってすごく良かった。ボートだと岸際だったり沖だったりおかっぱりじゃ出来ないようないろいろなポイントまで移動して撃てるから楽しい。根掛かりしても外せるし。」
親父:「そうだね。岸から離れたブレイクやストラクチャーの裏側とかはおかっぱりじゃむずかしいし、全ての根掛かりを外すのは難しい。でも、蛯原プロはトーナメント中でもボートを寄せて根掛かりを必ず回収してて素晴らしかった。やっぱりトッププロは一味違うね!」
大地:「ぼくは釣りしてるときにごみを見かけたら拾ってるよ。拾ったワームででかいバス釣ったことある!」
親父:「確かに。落ちてるワームは最強ローカルベイトかもね。」
親父:「ラスト5分で釣ったバスのランディング頼まれてどうだった?」
大地:「デカかったし時間がないから早くランディングしようと思ってちょっと焦ったけど、無事ランディングできてうれしかった。」
親父:「トーナメントの検量も初体験だったけどウェインバッグを持ってたときはどんな感じ?」
大地:「前に検量してたチームもデカいの釣ってたけど、自分のバッグも重かったからこれは勝てる! と思った。」
親父:「かなりドキドキしたね。最後に釣ったバスは2050gだったし他の二匹もナイスサイズだったね。なんせ1400gを入れ替えリリースなんてそうそう経験できないね。」
大地:「途中でライブウェルのポンプが壊れちゃった時は焦ったけど、ウェインバッグで水入れ替えたのも楽しかった。」
親父:「ビッグフィッシュ賞を含み三匹で5320g、二位に560gの差をつけて蛯原&大地チームが優勝! その時の気持ちは?」
大地:「全部蛯原プロが釣った魚だったけど、自分の予想通りに優勝できてうれしかった。でも僕は二匹バラしちゃったのがすごく悔しかった。今度は必ず釣りたいと思った。トーナメントって楽しいね。」
親父:「トーナメントが終わってから蛯原プロから『大地君が釣れなかったから四時まで釣りしよう!』と言ってもらってどうだった?」
大地:「今度こそ釣る! って思った。でもなかなか釣れなくて焦ったけど、せっかく蛯原プロとボート乗ってるんだから頑張ろうと思った。」
親父:「で、その頑張りと蛯原プロの思いが通じた結果ドラマが起きたと。」
大地:「そう! また終了時間の5分前、今度は僕にアタリが来て絶対にミスらないように、しっかり間をとってから思いっきり合わせたらフッキング出来たんだ! その瞬間、お父さんにもアタリが来てて二人同時にヒットしたんだよね。」
親父:「あ、アタッテる。ってお父さんが言ったら、蛯原プロが『まだ合せずに待って』って言ってたからその通りにしてからフッキングしたんだけど、まさかそれは大地に言ってるとは思わなかったよ。」
大地:「僕も釣れてうれしかったけど、ランディングしてくれた蛯原プロも自分のことみたいに喜んでたから良かったよ。」
親父:「いやー、そうだったね。蛯原プロはずっと前から『大地君に釣らせたい』って言ってたから、まさに有言実行。あきらめない火消し魂がもたらした結果だと思うよ。流石だね。」
大地:「試合では釣れなかったけどデカい小貝バスを釣れたから超楽しかったー!」
霞ケ浦の剛腕と呼ばれる熱い漢「蛯原英夫プロ」ですが、その呼び名とは裏腹にその釣りは非常に繊細かつ丁寧で驚きました。
試合中にプライベートで見かけた知り合いのボートにも気さくに声をかけてアドバイスしたりしていて、その人柄を垣間見ることができました。
このように様々な貴重な体験をさせていただき、霞探Rと蛯原英夫プロに大変感謝しております。息子の大地に代わりましてお礼申し上げます。