
ジャパニーズクランカーの最高峰に名を連ねる人々の一人として、塚本謙太郎氏の実力は言わずと知れたものであるが、この塚本氏の力作であるMibro BulletHeadDDについて、かのH-1でも優勝経験を持つ斉藤氏が熱いレポートをしてくれた。
BulletHeadに対する斉藤氏の信頼の高さが非常によくわかるレポートであり、且つ霞水系でこのクランクベイトを活躍させるコツが“しれっ”と述べられており、非常に教育的なレポートである。
![]()
![]()
Mibro BulletHeadDD
(Angler's Comment:斉藤 憲治さん)
私は焦っていた。
なまじ巻物を得意とするばかりに、自身を縛り付け身動きができない状態に追い込んでしまっていた。 ともするとすぐにキャットフィッシュのエサ釣り仕掛けを握りしめ、玉浮きが沈み込んでゆく様を、半ば瞳孔が開いた眼で見つめる日々が続いていた。
レポートの締め切りは刻々と近づいている。 釣りには行っているのだ。
がしかしである。
ハイシーズンにこれほどまでに釣れなかった事があったであろうか?
私が絶大なる信頼を寄せる塚本氏デザインの、BulletHeadDDである。
カスタンボート戦当日に結果を出す予定であったのだ!なんたるザマだ!
編集長ニッシ―西嶋氏に泣いて懇願し、締め切りを延長してもらう為体に、私は自信を無くしかけていた。
漸くバスをキャッチできたのは、カスタンボート戦にてMibro協賛品の品を頂いてから、実に2ヶ月後の事で、その間、キャストしたルアーはほぼBulletHeadDDであった。
ルアーに対する信頼は、ゆるぎないモチベーションを与え続けてくれる。
素晴らしい遠投性と着水直後のリトリーブから手元に伝わり続ける小気味良い振動。
狙い続けたエリアは、水通しが良く、底質が固い所。水門+シートパイル+リップラップという分かりやすい所であった。
オカッパリでディープダイバークランクを投げ倒すには勇気がいる。常にルアーロストの恐怖と戦わねばならない。ルアーリトリーバーの届かない沖に投げる時は言わずもがなである。そしていくら沖に投げても、霞水系のオカッパリでは直ぐに湖底に到着してしまう。
そんなときはロッドティップを頻繁に上げ下げし、リトリーブスピードにも気を使えば、大概の所ではストラクチャーを舐めるように引いてこられる。浮力がそれほど強くないので、太めのフロロラインの使用で更にタイトに使うことが可能だ。固い所にヒットしたら、リトリーブを一瞬止める。そして再び巻き始めた時に強烈なストライクを味わうことができた。もう、脳内麻薬のフルシャワーである。
長かった。そして、本当に嬉しかった。今までに、ここまで1種類のルアーに拘ってキャストし続けた事が無かった。改めて、バスフィッシングの楽しさに気付かされた。ただただ、釣れてくれたバスとルアーを提供して下さったMibro様、塚本氏に感謝である。
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()