レポートNo:57
NORTH FORK COMPOSITES NFXC66M

久しぶりの「テツジの部屋」が帰ってきた!?
最初にAOYを獲得した2014年、様々なルアーやロッドを導入したテツジ氏が、このたびゾッコン中のゾッコンとなったNORTH FORK COMPOSITESのNFXC66M。 霞探R第4戦では残念ながらバスをキャッチすることはできなかったが、我々はまたテツジ氏に強くなるための1歩となる武器を与えてしまったのではないか。
当レポートが届いたとき、拙編集長が感じたことは、文章に高揚感というか、興奮気味な印象があった。それはすなわち、手にしたNFXC66M、ひいてはNORTH FORK COMPOSITESのロッド、 ブランクスの良さを一刻も早く皆さんにお伝えしたいという想いに他ならないだろう。
今後、皆さんが選択するロッドについて考える要素に、充分なりえるだろうと思う。じっくり、読んでみていただきたい。

NORTH FORK COMPOSITES NFXC66M
(Angler's Comment:竹内鉄二さん)


2017年霞探R第2戦の優勝賞品として頂いた、NORTH FORK COMPOSITES NFXC66Mのレポートを書きたいと思います。
話は遡りますが・・・
私がNORTH FORK COMPOSITESで初めて使ったロッドは、IMという中弾性カーボンブランクスを使用した、UTRシリーズでした。

私の中で、IMブランクスを表現するなら、「筋肉質」という言葉がピッタリ当てはまります。 カーボンが厚く巻かれて、中身がギュッと詰まっていると感じるブランクスが、スムーズ且つムッチリと力強く曲がってトルクを発揮します。 曲がってからのトルク感がハンパないのに、不思議と持ち重り感が無いので、中弾性アメリカンブランクスのイメージが変わりました。

UTRシリーズはユーティリティの名の通り、ハードベイトからソフトベイトまで幅広く対応可能であり、負荷の高まりに応じてバットまでスムーズにベンドを深めていくテーパーです。 ルアーのウエイトをしっかり乗せて、力強く弾き出すキャストフィールが、私にはしこたま気持ち良く、NORTH FORK COMPOSITESの粘るブランクスのファンになりました。

使い込んでいくうちに、UTRをファーストテーパーにして、ソフトベイトの釣りに寄せたロッドを発売して欲しいと思っていたところ、霞探R第2戦の賞品として、NFXC66Mをいただく事が出来ました。

NFXC66Mは、IMブランクスをファーストテーパーにする事で、筋肉質で曲がるブランクスに張りが加わり、粘りと操作性のバランスが絶妙です。 想像していた通りの、自分の中でやりたかったソフトベイトの釣りを、一本でこなしてくれる最高のロッドです。

リグの操作中は、張り感とコシ感のあるティップアクションですが、負荷がかかればムッチリ曲がり、トルクを発揮します。 自然にティップが斜め上を向くロッドバランスなので、リグの操作性が良く、実際軽く感じます。

ファーストテーパーになったからといっても、ルアーの重さを乗せて弾き出すキャストフィールは健在で、まさに中弾性カーボンと高弾性カーボンの、良いとこ取りのような感じです。

私の釣りに関する望みはというと、以下の釣りを一本のロッドでやること。
・PTD3.5gに3.1HPシャッドテール
・5~6インチのストーレートワームの1.8gスナッグレスネコリグ
・3.5インチ・ドライブシャッドのノーシンカー

これらのリグをカバー周りの釣りから、フルキャストしてズル引きからの、「何か」にスタックさせてハングオフで食わせたり、普通にスイミングで食わせたりを、 NFXC66Mに出会うまでは、納得出来る使用感のロッドが見つかりませんでした。

上記のスモラバとネコリグで、ボトムの沈み物を探し、その「何か」に程良くスタックさせて、そこからの意図的なハングオフで喰わせる釣りがしたい時、スタックを強く・速く外してしまう、 硬くて曲がってからの戻りスピードが速いティップは、「持たせておくことが出来ず」NGです。

かといって、そのスタックを外すことの出来ない、軟らかくて曲がってからの戻りスピードの遅いティップでは、スタックが根掛かりになってしまいます。

NFXC66Mの、張りコシ感のあるティップは、曲がってからの戻りスピードが丁度良く、総重量7g前後のスモラバとネコリグを、程良いスタック感に仕立て易いです。

ボトムとスイミングの釣りに比重を置けば、高弾性カーボンのMLクラスのロッドでも出来なくもないですが、カバー撃ちまで一本でとなるとリフティングパワーに限界があります。

私がIMブランクスのファーストテーパーを熱望した理由に、カバー越しで掛けたバスを確実にランディングしたいという思いもありました。 以前フローティングカバーやアシ越しにバスを掛けた時の事ですが、バットまで綺麗に曲がるロッドだと、カバー越しのラインの角度が浅くなり、「よっこらしょ!」と抜き上げたいのに、 もたついてカバーにまた潜られた経験がありました。ボートなら自分がバスを迎えに行けばキャッチ出来るので、それでも良いのですが、足場に制限がある陸っぱりでは、そうはいきません。

勿論NFXC66Mはカバーの釣りもOKです。NFXC66Mのバットは、張りと粘りのバランスが絶妙で、適度な曲がりでリフティングパワーを発揮するので、カバー越しで掛けたバスをイメージ通りランディング出来ます。

足元で急に突っ込まれたり、急な負荷がかかった時は、バットが懐深く粘るので、ラインブレイクとバラシを防いでくれます。実際これまで、NFXC66Mでのラインブレイクもバラしもゼロです。

しなやか且つ、戻りスピードが絶妙なティップは、スイミング時にラインスラッグを作りやすいです。
これによってシャッドテールの水かみが良く、生き生きアクションするので、テールの振動がティップをかえして伝わってきます。 ラインスラッグを出しながら巻けるということは、引ったくりバイトにも弾かず対応しますし、釣れる状態を作り出しやすくなります。

第4戦のプラでは、3.5インチ・ドライブシャッドのノーシンカーをスイミングさせ、ナイスサイズを釣りました。

ちなみに、NFXC66Mは、ソフトベイトだけでなく、3/8ozまでのスピーナーベイト・チャター・メタルバイブにも良い感じです。

ハードソリッドティップとか、ナンチャラ軸補強とか採用せず、粘り、張り、トルク、軽さ、各々違うベクトルの要素を高いレベルで備え、 テーパーデザインやガイドセッティングを施すことで作り出したNFXに、NORTH FORK COMPOSITESブランクスの基本性能の高さを体感しました。

ロッドは曲がる事で機能する、ということ事をキャスティングからランディングまで体感出来きるNFXC66Mは、陸っぱりに最高の1本です。

<前へ     次へ>